人間の心と成長の前提
植物や動物は、生育条件が整えば自然に成長・成熟します。しかし人間には、自らの心と身体を訓練し、成長させていく意志的側面が加わっています。
アリストテレスも「人は繰り返す行為でできている。卓越は行動ではなく習慣である」と語っています。
習慣は自分を形づくる大きな要素であり、日々の行動の約40%は無意識の習慣で占められていると言われます。
心を「生命用具」として鍛える
心は「生命用具」、つまり人生を切り拓くための“道具”です。この用具を強く、健やかに育てることが重要です。
- 心を卑しめ弱める悪習を減らし、良い習慣を堅牢にし、日々心を強く育てれば、境遇は自然に良い方向に変わります。
- しかし良い習慣を身につけ、悪い習慣を改めるのは簡単ではありません。誰しも「続かない」「すぐ挫折する」経験があります。
習慣化と心の土壌
良い習慣のタネを蒔くには、心の「土壌」を耕し続けることが必要です。
- 雑草(悪習・消極的思考)を抜き、土壌(心の奥)を豊かにしないと、良い習慣は根付かず枯れてしまいます。
- 忍耐強く手入れし、タイミングよく挑戦し、コツコツと積み重ねることが大切です。
習慣化のための5つのポイント
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小さく始めて徐々に負荷を上げる
最初から完璧を目指さず、「3日だけ」「まずはこれだけ」とハードルを下げて始める。続けるハードルを下げておき、やり遂げた時はしっかり達成感を味わう。
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期間の壁を意識して継続する
3日、7日、21日、40日、90日、180日…と節目を意識し、継続することで習慣の慣性がつく。
小さな成長や成功を記録し、こまめに達成感を味わうことが継続のコツ。
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行為の理由・恩恵を明確にする
「なぜやるのか?」を明確に意識し、行為の理由を自分なりに具体化する。
その行為によってどんな利益や喜びが得られるか、逆にやらなかった場合の不利益は何かも自問しておく。★そのことをしなかったら将来に、どんな不利益や損失、痛みがあるか?
★それをしたら将来、自分にとってどんな恵みや喜び(楽しみ)がもたらされるか? -
新しい行為の意識づけと習慣づけを促すトリガーを身近な環境に配置する
目に見える形で「新しい行動」を思い出す仕掛け(メモ、貼り紙、アラーム等)を身の回りに置く。
例えば「玄関やトイレの壁に習慣化したい行為をメモして貼る」など。 -
深い意識×喜びの反復=習慣加速
深い意識状態(朝や寝る前など)で、喜びや達成感を込めて繰り返すと、より定着しやすい。
些細な行動でも、小さな喜びや達成をしっかり感じて習慣を加速する。
実践と検証のすすめ
習慣化のための知識や方法論を知るだけでなく、実際に自分の生活や仕事で試し、検証することが不可欠です。
- 習慣化は人によって適した方法や最適な期間が異なります。
- 小さな成功体験を積み重ねることで「心という生命用具」が強く育ち、現実を変える力となります。
補足と科学的な視点
心の働きは脳や身体とも深く結びついており、意識的なトレーニングや習慣の継続は、脳の神経回路や身体状態にも変化を与えることが最新の研究で明らかになっています。
体と心はお互いに影響し合いながら、螺旋状に発展していくものです。
まとめ
心は生命用具。
日々の習慣や行動で、その強さや柔軟さは大きく変わります。
小さな一歩を積み重ねて、習慣という「生命用具」を丁寧に手入れし、強くしていきましょう。
実践と継続が、あなたの心を豊かにし、人生をより良い方向に導いてくれるはずです。